アメリカで生産した原油をアメリカで使えない?
2026-05-24
アメリカで生産した原油をアメリ...

アメリカで生産した原油をアメリカで使えない?
 
アメリカは現在、世界有数の産油国です。しかし意外なことに、アメリカで生産された原油の多くは輸出されています。
 
「自分の国で採れた原油なのに、なぜ自分の国で精製して使わないのか?」
 
そう思う方も多いでしょう。私も最初は不思議に感じました。
 
理由の一つは、原油の種類と製油所(リファイナリー)の設計の違いです。現在アメリカで多く採れるのは比較的軽質な原油ですが、多くの製油所は何十年も前にベネズエラやメキシコ、中東などから輸入される重質原油を処理するように作られています。
 
つまり、アメリカで採れる原油と、アメリカの製油所が得意とする原油が必ずしも一致していないのです。
 
そのため、アメリカ産の原油を輸出しながら、別の種類の原油を輸入するという、一見すると不思議なことが起こっています。
 
今さらアメリカ国内の軽質原油専用の新しい製油所に何十億ドルもの投資をする企業は少ないのかもしれません。建設には長い年月がかかりますし、将来のエネルギー政策も不透明です。
 
私のような素人が考えると、「アメリカ産の軽質原油とベネズエラ産の重質原油を混ぜて、既存の製油所で処理すればいいのではないか」と思ってしまいます。実際、原油をブレンドすること自体は業界でも行われていますが、輸送コストや設備、規制、政治的な問題などがあり、そう簡単な話ではないようです。
 
エネルギーの世界は、「原油があるかないか」だけではありません。何十年もかけて作られたインフラや設備との相性が、今でも大きな影響を与えているのです。
 
それにしても、自国で大量に生産している原油を輸出しながら別の原油を輸入するという現実は、なんとも興味深い話だと思いませんか。
 
 





内倉憲一に関しては UCHIKURA CO のホームページから。




毎週水曜日にニュースレターを配信
させて頂いています。短くて読みやすい内容です。
お申し込みも UCHIKURA CO のホームページから。