H-1Bビザ申請費用10万ドル ― 日本人が米国で働く道は閉ざされたのか
2025-09-22
H-1Bビザ申請費用10万ドル ― 日本人が米国で働く道は閉...

H-1Bビザ申請費用10万ドル ― 日本人が米国で働く道は閉ざされたのか
 
長文で失礼します。

アメリカで外国人が働くための代表的な就労ビザに H-1Bビザ があります。これまでH-1Bは、アメリカの企業が必要とする専門知識を持つ人材を世界中から雇うための制度として、多くのエンジニアや研究者が利用してきました。ところが最近、この申請にかかる費用が 10万ドル以上 になると発表されました。
 
10万ドルといえば、現在の為替レートでおよそ1,500万円。大企業であれば経費として吸収できるかもしれませんが、中小企業やスタートアップにとっては到底負担できる金額ではありません。
 
中小企業は人材を雇えない
アメリカではIT産業や研究分野において、日本語を理解できるエンジニアや日本の文化を理解している人材が必要とされることがあります。しかし、年間売上が数百万ドル程度の中小企業にとって、1人を雇うのにビザ申請だけで10万ドル支払うのは不可能です。その結果、こうした企業は外国からの優秀な人材を採用できなくなり、競争力を失う恐れがあります。
 
日本人にとっての影響
日本の大学を卒業してアメリカで働きたいと考えている人にとって、この新しい規制は致命的です。もともとH-1Bビザは抽選制で狭き門でしたが、費用の高騰により 応募のチャンスすら与えられない 状況となっています。これでは、アメリカ企業で働くという夢は、ほぼ閉ざされたと言っても過言ではありません。
 
大企業だけが得をする仕組み
結局、この制度改定によって得をするのは資金力のある大企業です。GoogleやAmazonのような巨大企業は高額な申請費用を負担できますが、中小企業は完全に排除されます。つまり「H-1Bビザは大企業専用の制度」になってしまったのです。
 
日本人に残された選択肢は?
日本人がアメリカでキャリアを築く道は、これでほぼ閉ざされました。残された選択肢は、駐在員として大企業に入社するか、アメリカではなく日本や他国でキャリアを積むことになるでしょう。アメリカが「移民の国」と呼ばれた時代は終わりを迎えているのかもしれません。
 
 





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